黄昏の百合の骨 (講談社文庫)前作は、天才達が集まる学園や主人公のバックボーンの秘密がメインだったのに対し、今回はとある一軒家の秘密というのがメインとなるので、どうしたってスケールダウンした印象を受けるのは否めないものだ。

それでも、やっぱり主人公は裏社会に足を突っ込んでいる人間というポジションに一応いるので、描かれている舞台とのギャップが激しすぎて少し陳腐に思えてしまう。

この作品は、独立した作品として続編みたいにしない方が良かったんじゃないのかなぁ?

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ラストの“どんでん返し”にしたって、そこにイタリアンマフィアが絡んでいたというのには、どうにもスケールが小さくて鼻についてしまう。


ほんと、普通の女子高生とその叔母による心理戦、腹の探り合い、といった感じの物語に終始していた方が断然読み物として面白かったんじゃなかろうか、そんな気がしてならない。

3人称で描かれる文章の中に、時折挟まれる1人称の本音が挟まった独白。その辺に普段の印象とに溝を生んでいて、恐ろしさを感じるとともにワクワク感があるのは確かだと思う。

会話の節々に計算されたものを感じ、全てが疑わしく感じる。皆が何を考えているかが全く分からないという、気味の悪さという部分は素晴らしいんじゃなかろうか。


上記のようなことがあるだけに、変な飛躍の仕方をしたのがほんと勿体無く感じてならない。結局、感想としては“普通のサスペンス(ミステリ)”という印象。

これが、舞台がヨーロッパとかだったら、また違う感想を持てたかもしれない。やっぱり、描かれる物語に対して、そこに漂っている雰囲気というものもすごく大事なものなのだろうね。


それにしても、このいわゆる「理瀬」シリーズにはまだ続きはあるのかなぁ? でも、もう読まなくてもいいような気もするけれど。






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