嗤う伊右衛門
なんだか、ものすごく久しぶりに時代小説を読んだ気がする。結構、地の文が古い言い回しで読みにくいというイメージがあったんだけど、本書に限っては割と現代的な言い回しで非常に読みやすかったように思う。

逆に昭和初期を題材にしている京極堂シリーズ(同じ著者の作品)の地の文の方が読みにくくないか? と思えるほど、本書は読みやすかったなぁ。

何はともあれ、こういう取っ付き易さは大事だね。いちいち言葉につっかえていたら、物語自体を楽しめないわけで。時代的な雰囲気というものも大事ではあるものの、それも限度によるのだと思うけど。

【スポンサードリンク】


で、本書の物語のベースとなっているのが、お岩さんで有名な「四谷怪談」

子供の頃は怪談話とか大好きだったので、そういうものも本を読んだりテレビで見たりしていたと思うんだけど、さすがに大人になっちゃうと興味が薄れちゃって、「四谷怪談」の元の話なんて全く忘れてしまったものだ。

最初、お岩さんのことを、完全に「番町皿屋敷」のお菊さんと勘違いしてたりしたので、本書でも「いつ皿を割るんだ?」と思いながら読んでたら、全然違う話が展開されていて驚いたものです。


★お岩さんの祟り
そういえば、お岩さんに関してお祓いもせずにメディア等で語ると“祟り”があるというのを、真しやかに言われていた時代があったよねぇ? これって今ではどういう扱いになっているのだろう。

今こうやってお岩さんのことをブログに書いたりしたら、何か良からぬ事が起きてしまうとか、そんな風に言われてたりもするのだろうか? その辺がちょっとばかし気になるなぁ。

個人的には、そういう“祟り”とかは全く信じていない派なので、どうってことはないのだけど、過剰に反応してしまう人も世の中にはいるのだろうから、そういった人が本書に対してどういう評価を下しているのかも気になってしまう。

でも、祟りを信じている人は、初めから本書を手に取ることはないのかもしれないけれど。


それにしても、クライマックスが一体どういうことなのやら、よく分からなかったなぁ。なぜそんなところにお岩さんがいたのだろう? どこかのタイミングで伊右衛門が岩を屋敷で匿っていたということなんだろうか。

しかしながら、最後の最後で両者の気持ちが通じ合ったように見受けられるし、歪んではいるもののハッピーエンドで終わって良かった良かった。




嗤う伊右衛門 (中公文庫)
京極 夏彦
中央公論新社
売り上げランキング: 302,325








LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

« »

Post Navigation