逆説の日本史〈9〉戦国野望編
戦国時代を題材にした本で評価の高そうなものを探しているんだけど、今回は井沢元彦の「逆説の日本史」を手に取ってみた。

比較的有名なシリーズなのかな? 9~12巻までが戦国時代を扱っているようなので、その4冊をとりあえず確保。作家さんそれぞれに独自の歴史観があり本書も賛否両論あるのだろうけど、ひとまず読み進めていきたいと思う。

(ま、フィクションが大きく混ざっている小説よりかは、こういった本の方が良いのでしょう)

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内容的には、北条早雲、毛利元就、武田信玄、織田信長といった有名どころをメインにすえて、様々なエピソードに持論も挟み語られていた。

執筆当時の政治経済の話も引き合いに出しながら語られ、宗教的な見地も根底にあるので、なかなか読み応えがあるのは確かかもしれない(しかし、まわりくどく脱線もするのでリーダビリティはあまりよろしくないかも……)


三本の矢の“裏の意味”
そんな中で、毛利家の話に全国的に有名なエピソードとして「三本の矢(三矢の訓)」があるけれど(現在ではアベノミクスの説明に使われてたりするね)、そこにある“裏の意味”というのが非常に興味深かったものだ。

普通の意味としては、団結することの重要さを説いたもので、広島に生まれたものとしては小学生低学年の時から知っている話だから、それ以上でも以下でもないと思っておりました。

まさかその裏の意味として、団結しないと崩壊してしまうような家だからこそ、こういった逸話が必要とされていたとは思いもよらなかったわけで。


この「三本の矢」のエピソードは史実ではなく創作という話は割と有名だけど、なぜ創作する必要があったかと考えたら、上記に書いたような家だったからに他ならない。毛利家というのは謀略で大きくなっていった勢力なので、さもありなんという感じですな。

でも、言われてみればそういうことかとは思うけど、なかなかその裏まで考えることはしないから、結構目からウロコだったように思う。

(関連して、大内・尼子勢力の話も出てくるので非常に勉強になります)




信長が今川領を奪いにいかなかった理由
あと、織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を破ったのも有名な話だけど、その後今川領を奪いにいかなかった理由というのも驚かされたものだ。正直、これまで全く気にもしなかったけれど、言われてみれば確かに不思議な話。せっかく大名を討ち取っているのに、なぜ領土を奪いにいかなかったのか?

割と“なぜ信長は桶狭間で勝利できたのか?”というのは広く語られている気がするけど、今川領について語っている人って結構少ない気がする、たぶん。まあ、それほど大金星をあげたからそちらばかりに目がいってしまうのだろうけれど。


で、なぜ今川領を奪いにいかなかったのかという理由として、著者は「この時すでに信長は上洛することを考えていた」からと論じている。

今川領を奪い周辺国から防衛する大変さを思えば、そのまま捨て置いて京を目指すことを考えていたんだそうな。その後、足利義昭を保護することになるなど、素晴らしいタイミングだなと思わずにはいられない。


本当の理由がどうだったのやら分からないものの、信長が今川領を奪わなかったからこそ、家康が主家である今川を飲み込むことができたわけだし、それがなかったら家康は信長の同盟者以上の地位にはなれなかったのかもなぁ。

色んなところに影響を及ぼしていたわけか。




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