阿修羅ガール (新潮文庫)ミステリ以外の舞城作品も読んでみるかと思い手にとってみたけど、やっぱりいつもの舞城作品という感じでありました。

使われているネタなど「他作品で見たぞ」というものが多いし、使い回しもしくは他作品の元ネタとなっているガジェットが本作では多い気がする、なんとなく。

“自身の魂(幽体)が迷って他の人の身体に入ってしまう”という展開も、「ディスコ探偵水曜日」で扱われているネタとほとんど一緒だし、本作からブラッシュアップさせたのだろうなぁ、たぶん。

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ま、そんな風に色んなネタが詰め込まれているので結構面白く読ませていただいたものの、純文学ということもあり尺が短いせいか、どうにも消化不良な形で終わってしまうのが残念でならない。

結局アルマゲドンはどのようにして終息していったのか、同級生・佐野は一体誰に誘拐されてしまったのか? せめてその辺くらいは書いてほしかったものです。

ミステリテイストではあるけれどミステリ作品ではないのだろうから、尻切れトンボで終わっても仕方がないのかもしれないけれど(省略する美学?)


★女子高生の一人称とリアリティ
あと、若干この女子高生の一人称というものが読みにくさを感じなくもないですな。言動はバカっぽく見えるけど比較的語彙は豊富なので、口調と内容にギャップがあり余計に読みにくく感じてしまった(段々と慣れてはくるけれど)

その上で、女の子の心理描写は興味深いけど、これってオッサンが考えた文章だよねぇ? と、どうしても頭の中によぎってしまい何とも言えない気分にもなってしまう。


なにやら、この文体が評価されて三島賞を受賞したらしく、この女子高生の一人称にリアリティを感じる人が少なくないという事実にも驚きを禁じ得ません。

この文体から舞城さん的なものをすごく感じるけれど、リアリティまでは感じないけどなぁ。相当言葉で遊びまくってると見受けられるし、正直ここまで今時の女子高生は賢くないでしょう(割と主人公は賢い方だと思う

少なくとも、阿修羅像のメタファーとしての森の怪物なんて、今時の女子高生には想像も出来ないんじゃなかろうか。


それにしても、ラストは割とフワフワとした終わり方をしてしまったものだね。「私自身だって架空の存在かもしれない」とか、あまりにも極論過ぎて「なんだそれ」とか思ってしまった。

こういう唐突な感じなところは女子高生っぽく思わなくもないや。







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