ナ・バ・テア (中公文庫)何か軽いものが読みたいと思い、本作を約10年ぶりに再読。正直、文庫版発売からもうそんなに経つのかと、ちょっと驚愕してしまった。

それだけ月日が経っているとほとんど内容も覚えていないので、割と新鮮な気持ちで読み進める。これまで、時系列順にまとめて読んだこともなかったから、なかなか良い機会なんじゃなかろうか。

(ちなみに、「スカイ・クロラ」が刊行第1作目であるものの、2作目の本作の方が時系列的には最初となっている。でも、刊行順に読む方が正しい読み方のような気がしないでもない)

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しかし、本作って時々“哲学的”だという評価がされてたりもするけれど、改めて読んでみるとどちらかと言えば“詩的”と言ったほうがしっくりくる気がするんですが。主人公の一人称はそこまで論理的なことを言っているわけでもなく、感情的な部分が大半を占めている気がするんだけどなぁ。

対人相手には無感情っぽく描かれている主人公。そんな彼女の心理描写が非常に人間臭いという、その辺のギャップが面白いのだと思う。


それから、戦闘シーンでの改行の多さにも当時驚かされたものだけど、確かにこうすることでスピード感やテンポの良さが再現されており、なかなか良い表現だと言えるのかもしれない。

ただ、これは小説の演出としてメリハリがあるように感じるから良いのであって、短文で改行の多い“ブログ”とかになっちゃうと、とたんに読む気が失せしまうのもまた然り。


★どこの国と戦争をしているのだろう? もしくは内戦?
それにしても、本作ってどこの国の話で、どこの国と戦争をしているのだろう? もしくは内戦? はたまた企業同士だったり?

さらには、航空戦だけでなく地上戦も行われているのだろうか? そういった部分がめちゃくちゃ気になってしまうものだ。以前読んだ時は、特に気にもしなかったように思うけれど。

思った以上に説明不足感が否めない。エピローグで、元は同じ組織にいた人間と戦うシーンが描かれていたので、やっぱり企業同士だったりするのかなぁ? 我ながら内容をほとんど覚えていないので、どういう世界観になっているのやら、非常に興味深い感じはある。


そんな中で、主人公が戦争について以下のような言及をしていて、なかなか面白かった。

すぐに、次の戦闘機が護衛に上がってくるはず。みんなで爆弾を守っているのだ。そんなに大事な爆弾なら、ずっと大切に持っていれば良いものを、わざわざ相手の領地へ捨ててくるのだから、戦争っていうのは不思議な行動だ。


まあ、言い得て妙だよな。現在では、強力な爆弾を持っているというだけで抑止力になり、いつでも使えるんだぞとハッタリをかますことに意義を見出すのが主流なのかもしれない。







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