フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)引き続き、久々に本シリーズを再読していきます。

今回から主人公が交代して、クリタ視点の物語になっている。クリタと言ったら「ナ・バ・テア」で、後から配属されたパイロットだったよね、確か。これまでのクサナギと違い、天才ではなく一般パイロット視点ということなのでしょう。

その辺が影響しているのか、戦闘シーンが比較的少なかったような印象。実戦は最初と最後に描かれたものだけで、残りは彼自身の妄想によるものばかりだったような。まあ、天才じゃないということで、そんなにスタイリッシュな飛行を描けないから仕方がないのかもしれない。

でも、戦争なんてカッコイイことの方が少ないのだから、泥臭い物でも良かったと思うんだけどなぁ。

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しかしながら、このクリタというキャラクター性から鑑みて、あまりカッコ悪いものは描き難かったのかもしれない、なんとなく。

一見クサナギと似たようなクールキャラに見えるものの、クサナギ以上に感情を表に出さないタイプ&心理描写でもあまり感情的にならないので、なかなか捉えどころのない人間性。

そして、若干上から目線であり、一人称「僕」も相まって、村上春樹の描くキャラクターに思えて仕方がなかったものだ

パイロット全体を見ても、あまり社交的な人物も少なそうに見受けられるし、彼が特別そうなのだというわけでもなさそうな気もするけれど。それこそ、「キルドレ」によく見られる特性と言えるんじゃなかろうか、そんな気がする。


★「キルドレ」が物語の主軸
そんな中で、今回ようやく「キルドレ」が物語の主軸に置かれて語られていた。“キルドレを普通の人間に戻す薬”を巡って、とある組織に追われることになる研究者。それに関連した機密事項を知ってしまったクリタも隔離されるなど、ちょっと穏やかじゃないですな……。

キルドレというものを重要視しているのなら、国家的事業としてもっとキルドレを増やせばいいのでは? と思ったけれど、現在“キルドレの原因となった薬”は禁止されているとのこと。


禁止ということは、危険視されているということなんだよねぇ? ならば、なぜ“キルドレを普通の人間に戻す薬”を国が隠蔽しようとしているのか、その辺の理由が全く分からないんですが。

国民感情を考えてキルドレにする薬は禁止にしたけれど、現状存在するキルドレまで元に戻されては困る、もっと働いてもらわねば! ということなんだろうか? もしくは、国が秘密裏に現在においてもキルドレを増やしていたり?? 一体どういうことになっているのやら気になってしまう。


そもそも、キルドレになった人間は、どういう経緯で選ばれたのだろう? そこに本シリーズの戦争の本質のようなものが隠されていそうな予感。

あと、どうでもいいけど、クサナギとの今生の別れの後のストーリーがほんと消化不良というか、蛇足な感じがしてならないね。「どうか、お元気で」のところで終わっても良かったのに。








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