第1巻の頃から説得など交渉事を主にやってきたイメージのある織部さん。今回も、徳川と豊臣を和睦させるために裏で奔走している、そういった部分が多く描かれていた。
有楽斎も橋渡し役として表立って交渉。意外と有能なんだなと改めて感じてしまう。
しかしながら、徳川方からすると、豊臣に負けるとも思っていないし、そもそも豊臣滅亡の良い機会だと感じているわけだから、そう簡単に折れてくるわけもないわけで……。正直、何度も豊臣方に情けを掛けてきた結果が今あるわけだから仕方がないか。
そんな中で、頑なに和睦しないと言う淀殿(茶々)に対し、その母の身の危険を思って和睦を決断する秀頼。彼にとっては、初めての親に対する反抗といった感じだろうか?
史実では、淀殿の方が和睦を決断したようだけど、本作では秀頼の成長のように描かれていて、そういう意味では悪くない演出な気がするものだ(いつまでも、母親におんぶにだっこじゃ格好がつかないしね)
★あっさり真田丸
とりあえず、大阪冬の陣が終局。思ったより真田好白(幸村)は活躍してない感じかな? 本作では。「真田丸」の攻防も冒頭であっさり描かれただけだったし、ちょっと勿体なく感じてしまった(ちょうどドラマもやっていることだし)まあ、やっぱり真田さんは夏の陣における野戦での活躍がメインということなのでしょう。「へうげもの」では、そこをどのように描かれるのか今から楽しみです。
★家康の思想に恐怖を覚える
それにしても、泰平の世を目指す“家康の思想”に驚愕させられずにはいられない。「民を賢うさせる創意なぞ、泰平を蝕む病に外ならぬ」
再び乱世にならないよう、民衆を賢くさせない、愚鈍にさせておくべきという発想には恐怖すら感じてしまうんですが……。史実でもこういった感じだったのだろうか? 非常に気になってしまう。
要するに、政治を担う一握りの人間だけが賢ければいいという発想でしょ? ほんとファシズムの極みのように思えて、どこかの国と一緒じゃないか! と感じざるを得ないものだ。
実際問題、21世紀の現代でも“学問の自由”を享受できない国もあるわけだし、日本でも家康の思想がスタンダードにならなくて良かったなと、つくづく感じてしまうね、ほんと。
どうでもいいけど、血判をするために小太刀で舌を切る人初めて見たような気がする。だいたい指をちょっと切るくらいだよねぇ、普通は。